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ご挨拶
新幹線、航空機、自動車、大型テレビ、パソコン、新薬、・・・どれも、それらの抜本的な進展には新材料の寄与がありました。材料研究所には、21世紀の高度情報化社会から、さらに高度な新材料の迅速な設計・開発が求められるようになりました。その設計方法として、従来の経験に基づく実験のみによっていたのでは、社会の要求への迅速な対応が困難になって来ました。そこで登場したのが、物理の法則を適用した計算機シミュレーションによる新しい物質設計方法なのです。我々は、本所の材料設計専用スーパーコンピューターを最大限に活用し、他では実行不可能な程の超大規模シミュレーション計算により、分子、結晶からアモルファス材料まで幅広い対象物に 対して、実験家や民間企業との共同研究も積極的に行いながら、新有用物質の探索・設計を行っています。
川添研究室で用いる計算技法は、第一原理シミュレーション計算を主としていますが、他と異なることは、多体問題の完全解を求めることを基本として、物性物理や化学の基本的な理解の本質的進展をなしつつ、それを基盤とする有用新材料設計を実施する研究方法にあります。これを我々は「計算材料学の品質保証」と呼んでいます。「実験と合う」という評価基準では多くの方法が可能で、中には本質を間違って捉えているにも関わらず、実験結果を説明できる方法も存在します。我々は、実験と合わない場合には実験に何らかの問題があったのではないか?といえるレベルの理論計算を目指しています。そのため、計算技法の開発、数値計算用プログラムの開発、多くの対象に対する数値シミュレーションの実行による検証、と広い研究領域を採用しています。
研究室には、諸外国からの研究者が多数滞在し、お互い、各国語で話をしているばかりでなく、新しく参加した大学院生には、彼(彼女)の母国語での教育を実施しています。共通語としての英語はもちろん皆が使いますが、本当のグローバリゼーションは多国語環境の醸成であると認識しています。川添研究室のホームページのトップをご覧いただければこのことを理解していただけると思います。高度な研究内容を追求しながらも、一緒に居て良かったと後々まで言ってもらえる、皆が楽しく過ごせる研究室にしたいと思っています。